sfcgo’s diary

読書したら感想を投稿しようと思います。

【読書レビュー】異端のすすめ-強みを武器にする生き方-

 

 

 

【著者の紹介】

 著者は橋本徹氏。早稲田大学を卒業。弁護士の傍らで、行列のできる法律相談所など、テレビ出演のレギュラーを務めながら2008年からは大阪府大阪市の首長を歴任し、大阪都構想を掲げ、国政政党を結党。2015年に大阪市長を任期満了し、現在はTV出演や、講演活動など、多方面で活躍されています。

 【概要】

  上記のとおり、弁護士からスタートし、メディアに引っ張りだこになり、大阪府という巨大組織の長として行政改革に尽力した著者ですが、中でも大阪都構想を含めた政治活動については、大阪城でのモトクロスバイク大会の開催など、本書の中でもより具体的に書かれており、読んでいると著者が府知事として活躍していた頃の記憶がよみがえってきます。

 現代社会は自分がどう生きればよいか、正解を見つけにくい時代です。本書は自己啓発本の類いで、著者の経験則から基づくもの内容となっており、統計的な裏付けのようなものはないですが、「どうやって自分の強みを手に入れるか」、「納得感の得られる人生にするにはどうすればよい」等、基本的な考え方の軸になるところを語ってくれています。 

 【感想】

 大阪都構想という壮大な行政改革に挑むエネルギーはどこから生まれてくるのか個人的にはずっと疑問でしたが、本書に触れることで著者の人生観が伝わってきました。

 結果的には否決され反対意見が多数だった訳ですが、文字通り身を挺してまで大阪の未来を考え、それを実現しようと尽力されあと一歩というところまで来た訳で、そこまでできる方は殆どいません。

 さてTVで拝見すると、どんな質問に対しても、非常に理論武装された持論を展開しており、それはまさに圧巻で、誰しもが身に着けたい能力ではないかと思います。このあたりは第4章に書かれていますが、著者は長年、ニュース等の情報のインプットして、持論をアウトプットすることを日課としているようです。個人的には非常に参考になりました。

  それから、ずっと疑問だったのが、大阪都構想実現に向けて、政治活動を再開するかどうかでしたが、読んだ限りでは「完全燃焼」されたようです。著者の悲願である都構想は少なくとも今は実現に至っていませんが、そのかわりに、人生で大切にしなくてはならないものが、著者自身の中で洗練されて、こうして書籍として表現されているような気がします。 

 今の時代、特に民間企業に勤めていると、働き方改革などワークライフバランスが重要視され、基本的には労働時間を削減し,プライベートに時間を割く方向へと向かっていると思えます。ですから個人的には「なんとなく楽ができる」と思ってしまうのです。第二章では、自分の強みを得るには、圧倒的な量をこなすことで質が上がり、それが強みに繋がると述べています。強みというのは一朝一夕には身につかず、やはり「量」が重要だと改めて気づかされました。